豪ドル/円相場は、95.00~97.50円のレンジで揉み合う展開になっている。対ドルでは円安傾向が持続しているが、豪ドルに関しては対米ドルで下値切り下げ傾向が続いていることもあり、豪ドル/円相場は明確な方向性を打ち出せていない。
2月7日に発表された1月豪雇用統計では、就業者数が前月比+1.4万人となり、市場予測+0.6万人を大きく上回った。ただ、翌8日にオーストラリア準備銀行(豪中央銀行)が発表した四半期金融政策報告書では、今年の経済成長率見通しが前年比+2.75%から+2.50%まで引き下げられたこともあり、特に追加金融緩和観測を後退させるようなものではないと評価されている。5日のRBA理事会でも、「必要があれば追加か緩和の余地がある」との姿勢が示されており、緩和政策の縮小・停止・出口を模索する米ドルに対しては、金融政策環境の違いから売り圧力が強まり易い状況にある。3月ででRBAが追加緩和に踏み切るのかは不透明感が強いが、第2四半期には追加利下げが実施される可能性が高く、対米ドルでの豪ドル高を想定するのは難しい。
もっとも、日本銀行の緩和姿勢はRBA以上に強い以上、豪ドル/円相場の下落余地は限定されよう。主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁は12日、緊急共同声明を発表し、通貨安競争を行わないことを申し合わせた。これが円安を容認したか否かは議論のある所だが、米当局からは安倍政権の政策に理解が示されており、特に円安トレンドがピークアウトする環境にはない。日銀の次期総裁人事も活発化しており、豪ドル/円相場に関しては押し目買いスタンスを継続したい。 円水準であれば、物色妙味が大きい。
今後1週間の予想レンジは、95.50~99.50円。